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2007/10/06
最近、永田町やマスコミ等の議論で、格差問題について「改革の光と影」という表現を頻繁に耳にします。しかし私は、この数年で顕著化した地方経済の問題は、国内では少子高齢化の進展、グローバルには中国・インド等のBRICs諸国の急成長による競争の質の変化という主な二つの構造変化による影であり、これらの影にとり残された地域のための前向きな改革が遅れていることにむしろ問題があると考えます。こうしたなか、構造改革の手を緩め、過去のバラマキ政治に逆戻りをさせれば地方は問題解決かのごとく、安易な人気取りの野党国会議員の議論に同調する与党議員が増えていることには、大変な危惧を覚えます。こうした議論は、やや過激な言い方をすれば、真に時代の求める改革から国民の目をそらし、政治家としての無作為への追求を覆い隠す国民への裏切りになりかねない、短絡的で無責任な議論であると思います。
政治空白とその場しのぎの経済対策。財政赤字が経済悪化を招くとの恐れから、財政出動をしても裏腹に経済低迷になる「逆ケインズ効果」については、90年代の我が国が立証済みのようです。93年の宮澤内閣総辞職に始まり、細川連立政権樹立から自社さ連立政権に至るまで、失われた90年代のほぼ10年間、政権交代が慌ただしく続きました。しかし、政権闘争の結果、バブル崩壊後の中長期的な構造改革が打ち出せぬまま、緊急経済対策として国が10年間に支出した総計100兆円超という莫大な歳出がどれだけ経済効果を生んだかというと、我が国経済をこの間1.1倍に拡大したのみでした。しかし、波及効果はいかに希薄でも、この100兆円超の歳出が着実に10年後の国民の税負担を増やしたのは紛れもない事実です。98年に緊急経済対策の予算措置として国が発行した多額の10年国債の返済時期が来年到来することから、償還時期を変えるなどの善処策で金利上昇の悪影響を招かぬよう政府の苦慮があることも事実です。
参議院では民主党が第一党となりました。11月1日に期限切れとなるテロ特措法に対する新法制定や高齢者医療負担増の凍結の検討、国民年金国庫負担引き上げの財源手当てなど課題山積するなか、これら国民生活の安心・安全の確保に直結する重要案件が与野党間の政争の具と化してはならない点、原点に戻り認識を新たにするべきです。我が国が21世紀の新たな時代環境の中で、将来に渡り後世世代に国家の繁栄の基礎を築いて参ることが、我々現役世代の政治家の使命であり、責務であります。にもかかわらず、政権闘争による政治空白で重要政策が断ち切れになるならば、経済低迷により国民生活に重大な影響を及ぼしかねません。このような事態は何としても回避が必要である点、野党の方々にもご理解を頂き、国民のため国会議員が皆心をひとつにして、この難局を乗り切ることが大切であると思います。