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2007/03/11
時間:15:00~
場所:岐阜高島屋前わくわく広場
◎ 地域活性化のための円滑な中小企業事業承継の制度構築に向けて
安倍政権では、地域の活性化は重要課題のひとつとして取り組んでいます。実は、地域活性化にとり、日本企業の8割方が中小企業である現実からは、中小企業の円滑な世代交代を通じて、活性化を促す制度構築が間違いなく重要です。日本社会も、20年以上前までは中小企業の事業承継は親族内のものが圧倒的に多く、約8割を占めていました。しかし現在では4割近くまで減り、他方、MBO(経営陣による経営権の買収)や従業員による承継、M&Aを通じた売却など、当時ごく僅かであったいわゆる親族外事業承継が現在、全体の4割近くを占めるまでに上がっています。
時代の変遷とともに、まさに中小企業も流動化が始まっており、非上場中小企業の適切な企業価値を把握するニーズも高まっています。地域活性化の上で、中小企業経営者の方々の多様な経営上の、そして社会的なニーズに応える事業承継の制度構築が、今まさに時代に求められています。この点、岐阜市は中小企業を中心とする商業の町として発展をしてきましたが、現在、この柳ヶ瀬商店街においても、事業承継の遅れが商店街活性化の滞りのひとつの要因であることは皆さんもご承知の通りです。そこで本日は、事業承継の問題点と制度改正について触れたいと思います。
相続の際の事業承継については、事業を承継する相続人とその他の相続人とを税制上、明確に区別する措置がないため、事業承継が円滑に進まないなどの問題点が指摘されています。例えば、民法上、各相続人に最低限の資産相続を定めた遺留分という制約があることから、事業後継者が事業用資産を集中的に相続することが難しく、経営に関わらない他の相続人も自社株式を相続することが多々あります。この結果、後継者の持ち株比率が低下し、経営が不安定化するなどの問題も生じます。
そこで19年度税制改正では、後継者への自社株相続が進むよう制度改正を行いました。従来、相続時精算課税制度を用いると、65歳以上の親が自社株贈与をする場合、2500万円の非課税枠が適用されましたが、今回の改正では適用年齢を60歳以上に引き下げ、非課税枠を3000万円に引き上げて、非課税枠の超過部分は一律20%の税率を適用するなどの特例措置を創設しました。同時に、今後の検討課題として、配当中心で議決権のない優先株は、議決権のある普通株に対して例えば、5%程度評価を減少させ、同様に黄金株(拒否権付株式)等、他の種類株の評価方法も明確化した上で税優遇を行うなど、非後継者の相続人に対しては経営権のない資産相続を税制上促すことが必要と思われます。
さらに、非上場企業の範疇でも、競争力向上は重要な観点であり、19年度税制改正では非上場株式の評価方法の明確化も検討対象となるなか、目下、私も自民党の事業承継問題検討小委員会の非上場株式評価制度の検討チームで作業に携わっています。非上場株は、市場価格がつかないため、従来、収益還元法や純資産法から導いた企業価値をもとに株価を算出しており、類似の上場企業の株式と比べて相続税負担が高くなりがちとの指摘があります。すでに欧州諸国は、事業用資産に対する相続税の軽減措置を導入、米国も2010年までに遺産税の段階的廃止を示唆しており、事業承継に関する我が国の税制を諸外国とのイコールフッティングにもって行くことが、我が国経済の全体的な底上げのためには重要です。
税制以外でも、昨年5月の「会社法」の施行で、議決権が拡散している分散した株式の買い取りや、好まれない先への自社株式の売却制限などが容易になりました。更に19年度予算では、政府は「中小企業事業承継円滑化支援事業」として2億円を計上し、目下、中小企業基盤整備機構の全国9ヵ所の拠点で事業承継に関する専門家を設置して、各地の商工会議所、弁護士、税理士、会計士等と連携した事業承継支援ネットワークの構築にも取り組んでいるところです。
新たな時代にチャレンジする中小企業の真の競争力強化を支援する税制構築や活性化策は、日本経済全体の底上げにとり不可欠なステップです。今後とも中小企業活性化策には積極的に取り組んでまいりたいと思います。