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2007/02/18
時間:15:00~
場所:岐阜高島屋前わくわく広場
◎ 雛人形の歴史から少子化対策を思う
昨日、岐阜市内で、伝統工芸でもある提灯製造の老舗を訪れた際、部屋中溢れんばかりの雛人形の倉庫に案内していただきました。赤や紫を基調とする600~700個の雛人形が部屋中を舞っているかのような、まばゆい宝庫でした。雛人形といえば、『源氏物語』や『枕草子』にも記された、千年以上も続く我が国の伝統文化です。当時、雛人形には幼児の病気や災いを除け、無事の成長を祈るお祓いの意味もあったようです。武家の後とりであれ農家の稼ぎ手であれ、家族の営みにとり、子供の健やかな成長がどれだけの宝であったか、戦後62年、経済的豊かさを手にした日本人を前に、昔の人達の思いを考える機会となりました。
私が外資系投資銀行に勤務していた頃、経済調査部の同僚で小学生の子供をもつ母親が、昼休みに慌ててあちこちに電話をしていたことがあります。頼んでいたベビーシッターが急に来られなくなったためです。夫婦ともども長時間労働の仕事に就いており、母親は私と同様、朝6時半には出勤し、夜10時位までは少なくとも残業のため、ベビーシッターのシフトを毎日3人体制で組み、1人でも風邪を引いて急に来られなくなるならば、大騒ぎになるわけです。私はその頃から、長時間労働で高齢化社会を支える、エネルギッシュな現役共働き世代にとり、日本の子育て制度が足元をすくうような未熟な制度であることを目の当たりに痛感していました。
実際、最近の各種調査では、フリーターやパートなどの非正規雇用の若者における未婚率の高さが、少子化に拍車をかけているとの指摘もあります。我が国では、200万人のフリーター人口に加えて、15歳~24歳の若年失業率も8.7%と、全体的失業率の4.4%のほぼ2倍の高さにあり、またパート・アルバイト人口の44.4%が「金銭的に余裕がない」ことを未婚である理由に挙げているのが現状です。合計特殊出生率は、昨年、1.26から1.30近辺へ改善しましたが、米国の2.05、フランスの1.94、イギリスやスウェーデンの1.77にはほど遠く、まずは、ニート・フリーターの方々が自信をもって正規雇用に就けるための環境整備が課題です。
そこで19年度政府予算案では、少子化問題に対する緊急雇用対策として、(1)年長フリーターの雇用対策(新規、1億5千万円)、(2)育児休業支援の給付率・事業主助成率の引き上げ(計155億9千万円)、(3)事業所内託児所設置・運営費用への助成(13億3千万円)などを中心とする、雇用面での若者勤労世代に対する子育て支援策を盛り込みました。
まず、「年長フリーター対策」では、フリーター歴が長いほど就職困難も増すため、トライアル後にフリーターを常用雇用にする事業主に対して、25歳~30歳未満のフリーターの場合は20万円、30歳~35歳未満の場合は30万円の雇用助成金の支給を新設しています。また、育児休業給付も、従来、休業前賃金の40%支給(うち30%は休業中、10%は職場復帰6ヶ月後)であるものを50%へ(職場復帰6ヵ月後の支給を20%へ)引き上げ、さらに育児休業取得者に対する事業主の任意の経済的支援について、雇用保険制度からの助成率を大企業は1/2から2/3へ、中小企業は2/3から3/4へ、それぞれ引き上げを盛り込んでいます。
同時に、上述のような長時間勤務にありながら、子育てにも懸命な責任感のある若い現役世代のために、私はかねてから事業所内託児所の設置を提唱してまいりましたが、この設置・運営費用の負担軽減のため、中小企業における事業所内託児所の助成割合を従来の1/2から2/3へ19年度予算案では引き上げています。
少子化問題への政府対応はようやく本格化しつつあります。団塊世代の大量退職期が始まる今年を重要な契機に、我々の先祖が一千年以上も雛人形に込めてきた子供の健やかな成長に対する祈願の気持ちを想い、我が国経済の真の豊かさを取り戻すためにも、少子化対策にはさらに取組んでまいりたいと思います。