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2009/05/12
5月の連休中に久しぶりに夜テレビを見る時間ができ、NHK BS放送で放映した『クワイヤ ボーイズ』という3部作を視聴しました。イギリスのある中学を訪れた合唱担当の教師と生徒たちのとても良く構成されたドキュメンタリー物語ですが、私が日頃感じていることと重なり合う部分も多く、ここに記したいと思います。
ドキュメンタリーの大筋は以下です。合唱を教えている若い男性教師ギャレス・マローン氏が、少年合唱団設立の目的で9か月の任期でランカスター校に赴任します。ここはスポーツが強い学校で、赴任当初は、「歌を歌うなんて女の子みたいだ」と見向きもしない男子生徒ばかり。実際、教会の合唱団に属する数人でさえ、同級生にはそれをひた隠しにし、休み時間に校庭で、ラップ音楽に踊るイスラム系生徒数人にマローン教師が近づけば、彼らは逃げてしまう始末。しかし、マローン教師の熱意と生徒たちに「本物」を体験させる努力の数々が、いずれ、反抗期で自分たちの世界に余念のない中学生の彼らの心を開き、惹き寄せることに成功するのです。
まずマローン教師は、歌ったこともない集めた生徒たちを前に、合唱団をつくり、ロンドンのロイヤル・アルバート ホールで公演をしよう、という一大目標を宣言します。ロイヤル・アルバート ホールと言えば、世界中のアーティストが厳しいオーディションを経て、公演の機会を獲得する名門のホールです。これを彼の任期中9か月以内にやろうと言うのですから、生徒たちから見れば、そう遠くない夢のような話です。「そんなことが本当にできるなら、すっげ~!」と数々の生徒はこの夢に惹き寄せられました。
実際、生徒たちを惹き込むマローン教師の戦術は、まず第一に、生徒たちにその世界の「本物」にチャレンジし、それに向けた練習工程で「本物」の数々を体験させ、「本物」が持つ説得力で彼らの心を動かしていくことです。そして、さらに素晴らしいのは、マローン教師がどんなエスニック(人種)の生徒も取り込む努力を行い、ベトナム生まれの生徒をソロに抜擢し、イスラム系の生徒を引き込み、融和の空気を創りだすことで、一大目標のもと共に励む生徒たちの輪を広げていったことです。
マローン教師が手がけた「本物」とは、まずロイヤル・アルバート ホールでのオーディションでした。できたてのこの合唱団には、初回審査で公演許可は下りず、半年後の再審査で何とか特別枠で通過します。反抗するイスラム系生徒たちには、ラップ音楽のプロアーティストを学校に呼び、ラップ調に変調した合唱団の一曲を彼らの前でコーラスしてもらい、彼らの土俵で惹き込みを試みます。さらに、名門のキングスカレッジ聖歌隊との合同練習の場も設け、歌声の音色のちがいに愕然とする生徒たちに、一流がどんなものかを気づかせ、激励することも忘れません。
こうしたある日、「こんなに素晴らしい機会をくれているマローン先生に反抗していた僕は、馬鹿だった!」とイスラム系生徒リーダー格のイムランが仲間の前で宣言します。彼はそれ以来素直さをとり戻し、彼の仲間も合唱団にフルに加わるようになります。こうして合唱団が、ランカスター校の一大プロジェクトとして皆の関心の的になりました。マローン教師の最終日、ロイヤル・アルバート ホールでの公演当日。イスラム系生徒イムランの出演を会場で見守るお母さんが、息子の成長に感動の涙を流している姿がありました。
私は、『クワイヤ ボーイズ』を視聴して、次のように思いました。イギリスのスポーツ校の中学生にとり、ひとつの心の壁であった「皆の前で歌うのは恥」という羞恥心。この心の殻を打ち破る体験を通じて、大人への成長の一歩を手助けしたマローン教師。マローン教師は、たまたま合唱担当の教員でしたが、本人の熱意でみずから歩み寄り、生徒たちに夢とやる気を抱かせるため、「本物」を見せる場面作りの努力を惜しみませんでした。そのやり方は、若いマローン教師がまさに心も行動も一流の教育者であることを示していたと思います。私たちの日本でも、「本物」や「真実」にしかない心を動かす説得力に生徒たちを触れさせ、夢を掲げる大きな人間へと、成長の機会を創り上げていきたいものです。
2009/04/03
政治の抜本改革、いまこそ!
今回の民主党小沢一郎代表秘書の逮捕に始まる政治とカネの問題を通じて、日本の政治の信頼が大きく揺らいでいます。100年に1度の経済危機の今こそ、国民に頼れる政治が求められます。政界につきまとう古い利権政治の影。「日本のしがらみ政治を大改革する」という、4年前の衆議院選挙での初立候補に際する私の一大決意は、今も揺るぎないものです。
民間のエコノミスト時代、私は政府の審議会で経済政策の企画立案にも関わりましたが、「景気回復の足を引張るのが、英断できない日本の古い政治体質である」との究極的な認識に至ったのです。今こそ、グローバル社会に生きる日本国家として、民間の常識で政治の抜本改革を進める。これこそ、しがらみのない議員の私に与えられた使命だと思っています。
「ガラス張りの政治1番地」宣言
郵政民営化に次ぐ改革の大動脈。政治資金の抜本改革は、私の持論である国会議員の定数削減などの国会改革や、政治をガラス張りにしバラマキをなくす、予算税制上の政治規律を高める意味で改革の大動脈です。目下100年に1度の経済危機のただ中にあり、大型景気対策と政治規律は表裏一体の必要性にあります。
できるだけ経済効果の高い景気対策を作るには、対策の中身が大事です。いくら財政投入しても、単なるバラマキで景気が回復しない、などという過去の轍を踏むことはできません。国家としての新たな成長基盤創りや新規雇用創出など、5年後10年後の日本が、21世紀のアジアの繁栄のなかに再び返り咲くことができるような、経済の道筋を今しっかりと創っておくこと。これとセーフティネットとの2段構えの大型対策が今回は求められるのです。
民主主義は、手間ひまがかかるといいます。選挙で選んだ国会議員に地元の声を反映し、国会でルールを決めてもらう政治制度です。このプロセスを支えるための時間やひとやコストという社会的負担を誰が担うかによって、民主主義がどれだけその国に根ざすかも異なるでしょう。明治憲法以来100年以上が経過し、日本は開かれた議会制民主主義へと発展しました。私のように、二世議員でもなく、役所出身でもない、サラリーマン出身者が、国会議員になれる門戸が開かれたことは私たち国民にとり前進です。しかし、民意を代弁するにも、若者の政治不参加や、議員個人の資金力に活動が依存する側面が残される以上、日本の民主主義はまだ発展途中なのです。
目黒・世田谷から政治を変えよう!
私は現在、党内議論において経済を専門とする者の立場から、大型景気対策の迅速さや経済効果の高い中身への発想転換、政治規律の必要性など、積極的な議論を展開しています。景気浮揚効果を少しでも高めるため、古いしがらみ政治に引張られるバラマキ体質を改め、政治を国民のものにしていくことが重要です。
政治改革の機運をこの目黒・世田谷から高めるため、地区大会を今月、開催予定です。私と一緒に皆の力を結集して、日本の政治を抜本的に変えていきませんか。より多くの皆さまのご参加をお待ちしております(詳しくは、ホームページお知らせ欄をご覧下さい)。
2009/01/20
平成21年の幕開けにあたり、今年が皆様がたにとり健やかな一年となりますことを祈念申し上げます。旧年中は多くの皆様がたに誠にお世話になりました。心より御礼を申し上げます。
東京5区への選挙区替えからはや1年弱、この間、国会議員として後援会も名簿もゼロからの厳しい再スタートとなるなか、温かいご理解のもと、ともに地元活動に邁進くださいました多くの皆様がたに心より深謝をいたします。今年は国会議員の試練の年、引き続きご指導ご鞭撻を賜りますよう何卒宜しくお願い申し上げます。
百年に一度の経済危機のなかでの年明けとなり、丑年に習い、危機の時こそ軸をぶらさず、じっくりと経済対策のひとつひとつを着実に国会で通すことに徹してまいります。ことある度に政局の打算へと事の本質を塗り替えるマスコミの今の論調が、すべての国会議員の真意を反映し、健全な世論形成に貢献しているとは思えません。いま議員として私にとり重要なのは、政局という川の流れの中を一歩一歩踏みしめ、国民の声を汲みとりながら、水の流れに遡って上流まで登りつめる堅実さと根気です。
さて、今年は「経済が逆風のなか、政治も逆立ち、モラルも逆立ち」で日本の年明けとなりました。耐震偽装から食品偽装、新卒採用の内定取消問題へと、近年の一部の企業モラルの低下も社会の混迷に輪をかけています。今年は日本の政治経済を根本から立て直す「治癒の元年」となるべきです。しかし、政治や経済は、国の社会の上に成り立つものです。互いにいたわり合い助け合う地域社会の結束、文化やスポーツの振興から新たな活力を生み出す社会のダイナミズム、規則を守りフェアプレーに徹する国民民度の高さなど、こうした社会の懐の深さや人間力が、「日本社会の総合力」として、危機的状況のいまこそ試されています。
急がばまわれ。目先の大幅な景気対策の早急な実施が不可欠である一方で、私はこうした「日本社会の総合力」を養う教育や社会政策の充実にも、同時に政策の軸足を向けることが我が国の長期的回復力につながると思います。国民生活へのいたわりと癒し。深刻になりつつある派遣問題や若者の貧困問題、高齢者生活の安心の確保、自立と相互扶助を教える社会教育、勤労者の子育て・介護支援などに対する政策的拡充は、我が国の潜在成長率をも引き上げます。保育園や介護施設を増設し、勤労者が安心して職場に出かけられるような共存共栄の社会インフラの具体的整備に国が踏みだす時です。
「社会力の育成戦略」と「経済の成長戦略」。互いに相乗効果を生み出すかたちでこれらふたつの戦略を推進するため、私は「財源捻出の改革」も同時に訴えています。いまの人口減少時代には、低潜在成長率のもと税収減少から政策的充実を税でまかなえきれず、他方、借金を増やし続けてまかなえば将来的重税に若者世代は夢や希望が潰れてしまいます。打つべき政策は山ほどあるのに財源が見当たらない。ジレンマの打開には、行政の無駄削減や埋蔵金の有効活用、国有財産の売却にとどまらず、国会議員の定数削減に踏み込む「聖域なき国会改革」も必須です。今こそ政治の決断で聖域なきあらゆる財源捻出の努力を行わずには、日本の将来の道は開けません。
2006年の自民党プロジェクトの報告では、国有資産のうち金融資産を含む140兆円程度が削減可能、削減の対象には独立行政法人の保養所や独法・政府関係機関等への出資金・貸付金なども含まれています。財投機関債発行による独自資金調達への切り替えや、将来的な資産譲渡所得を償還財源に限定した国債発行による財源捻出は可能なはずです。他方、私は2年ほど前から一貫して、国会議員定数の3割削減を訴え続けてきました。当初困難とも言われたこの提言も、最近は政策フォーラム「新しい風」や「プロジェクトJ」など私の属する自民党若手中堅議員の各グループの政策提言に盛り込まれ、つい最近では小泉元総理や麻生総理もその必要性の表明にいたるまで党内の賛同が広がっています。特別会計の剰余金があくまで単年度の税外収入になるのに対して、国会議員の3割削減は毎年度1000億円弱の経常経費の削減になり、より恒久的な政策経費の財源にまわせます。
国の財政投融資特別会計の金利変動準備金10兆円について、21~22年度の基礎年金の国庫負担引き上げや減税措置ための財源活用の方向性は既に出されましたが、加えて道州制の時代を目前に、国会議員みずからが「聖域なき国会改革」に果敢に取り組む時です。私は将来を見据えた責任ある政治を実現するため、そして今日の政治を国民本位の政治に戻していくため、元民間人・エコノミストとしてのスピード感と蓄積を生かし、国民的目線で国会での戦いを続けてまいります。
2008/02/22
先日2月8日、次期衆議院選挙における自民党公認調整として、私自身の「東京5区」転出が決定し、党執行部による共同記者会見で同日、発表されました。その可能性に関する1月下旬のマスコミ報道以来党決定までのこの間、岐阜1区の皆様がたのご心配には私自身、心痛の思いでありました。しかし転出に際して最後に温かいご理解を賜りましたことに改めて深謝を申し上げ、これまで2年半政治家としてお育て頂いた支援者の方々には感謝の念に絶えません。そして2月14日、岐阜第1選挙区支部支部長を退任し東京第5選挙区支部支部長を拝命、私佐藤ゆかりの新たな政治活動が始まりました。
国替え決定から2週間、東京5区では目黒・世田谷区民の皆様がたから大変温かな受け入れを頂き、また行事出席やご挨拶まわりの引き回しなど、円滑な出発にご協力ご尽力を頂いている都議、区議、また町会・商店会長等の皆様がたには心より感謝を申し上げます。新天地にて不慣れなところもございますが、今後末永くお付き合いを賜りますよう、心より宜しくお願いを申し上げます。今回の急な門出により、新天地での事務所新設や引越し、選挙区常駐の地元秘書のリクルートなど、事実上ゼロからの出発作業に、連日、国政の合間に東京5区と永田町との往復に追われているところです。
転じて国政では、今年1月から自民党国家戦略本部にて、私が昨年参院選後に行った政策提言(「農業版JETRO創設」、「地域マンパワー革命」)に関するプロジェクトチーム(PT)を発足、座長を拝命し、これら2つの政策の具体化作業を進めているところです。昨年末、20年度与党税制改正大綱に「農商工連携」の促進税制を盛り込んだのに続く農業活性化策第2弾として、「農業版JETRO創設PT」では、農産物の輸出促進のための組織編成を検討しています。東京都でも羽田空港と隣接する大田市場など、輸出のゲートウェイに適したインフラの活用が期待されます。「地域マンパワー革命PT」では、地域の「職の偏在」を是正するため、在宅勤務を通じて地方の求職者を都市部の求人に結びつける新しい就労体系の導入を労働法制面から検討しています。
少子高齢化の進展する我が国経済において、地域活性化は国政における重要課題の1つであると同時に、大田弘子経済財政担当大臣による最近のご指摘の通り、世界経済においても、我が国経済はもはや二流経済化している現実を真摯に受け止め、建設的な対策に進み出ることが今求められています。グローバル経済における我が国のリーダーシップの再構築、その源泉を模索し、国民全体が将来に渡り夢と希望を抱ける国家再生のため、今後、東京選挙区の国会議員として、誠心誠意、取り組んでまいる所存です。
国替えに伴う新たな環境整備や国政活動のただ中で、連日徹夜をしても終わりきらないほどの仕事量、ポパイのようなスタミナが求められます。東京5区で佐藤ゆかりを見かけられましたら、是非、温かいお声をかけてみていただけませんか。今後とも宜しくお願いいたします。
2007/10/24
先月、若手議員による政策立案グループ「プロジェクト日本復活」(通称Project J)を立ち上げ、勉強会を毎週行ってまいりました。竹中平蔵元総務大臣を顧問に、山本一太参議院議員の呼びかけのもと若手議員9人が集まり、福田政権を支えるため構造改革の政策提言を行うべく発足したものです。私自身、当初からこの勉強会に加わっている仲間の一人であり、この程10月23日、午前7時半から自民党本部にて竹中顧問初めメンバー国会議員全員による記者発表を行ったところです。
すでに自民党総裁選の際には、構造改革堅持を明言された福田総裁候補に私は支持を決意し、総理就任後の国会での所信表明演説でも、福田総理は構造改革の推進により地域格差の是正に取り組むなど、改革路線の堅持を重要な公約に掲げておられます。自民党には小泉元総理時代に創設された「国家戦略本部」という総裁直属機関があり、私は現在このメンバーとしても、福田総理の示された「自立と共生」の国家創りや改革路線の堅持に向けて、総理のための政策立案に同時に携わっているところです。
「プロジェクト日本復活」でも、こうした福田総理の改革方針の推進のため、財政再建、成長戦略、金融改革、行革・道州制、IT化推進などの重要分野でさらに政策を煮詰め、グループで提言を行う予定です。プロジェクトは毎週火曜日、竹中顧問初めできるだけ全員出席をめざし、遅めの夜9時半から議員宿舎の会議室で2時間程度真面目な議論を行っています。講師としてすでに中川秀直元幹事長、そして昨日は塩崎前官房長官にお越し頂きました。そもそも昨日は、私は早朝4時まで自宅でパソコン作業、2時間の睡眠後、午前7時半に党本部でプロジェクトの記者発表に出席、その後びっしり詰まった国会日程を終えて一日の最後にプロジェクトに再び出席、夜中12時過ぎまで討論が続きました。この日程、熱意がなければできません。
ところで、昨日の記者発表後、午後に早速マスコミ各社が勉強会に関するニュースをネット配信しました。その中でテレ朝のANNニュースだけは、歪曲した記述を流した点、我々の誠心誠意に泥を掛けてから視聴者に見せるような報道姿勢は誠に残念です。
他社のネット配信では当然ながら、このプロジェクトの世話役である山本一太参議院議員の名など基本的事実をまず報道しています。しかしANN配信では、「チーム安倍+小泉チルドレン+竹中平蔵氏=改革?」とのおちゃらけの見出しの下、こうした基本的事実は記載せず、さらに記者発表で配布した「改革を続行していこうという福田内閣の姿勢を評価する」と明記したプロジェクト趣意書も無視し、いきなり“福田路線に距離を置く「チーム安倍」のメンバーなどが、新しい勉強会を立ち上げた。…勉強会は、福田政権の発足で改革が逆行するのではないかという危機感から集まったということで、佐藤ゆかり議員や世耕前総理補佐官らが名を連ねた。”という本末転倒かつ事実無根の記述に記事全体の3分の2を割いていることです。
ストレートニュースの名の下で、総理自身の施政方針と党内周辺議論とを混ぜ返すANNのような報道姿勢は、視聴者にとっても有害になり得る点、指摘しておきたいと思います。このような唯我独尊の一部マスコミによる裏切り行為があっても、我々の真摯な政治活動の自由は誰も束縛できません。ひたすら、国創りに邁進してまいります。
2007/10/06
最近、永田町やマスコミ等の議論で、格差問題について「改革の光と影」という表現を頻繁に耳にします。しかし私は、この数年で顕著化した地方経済の問題は、国内では少子高齢化の進展、グローバルには中国・インド等のBRICs諸国の急成長による競争の質の変化という主な二つの構造変化による影であり、これらの影にとり残された地域のための前向きな改革が遅れていることにむしろ問題があると考えます。こうしたなか、構造改革の手を緩め、過去のバラマキ政治に逆戻りをさせれば地方は問題解決かのごとく、安易な人気取りの野党国会議員の議論に同調する与党議員が増えていることには、大変な危惧を覚えます。こうした議論は、やや過激な言い方をすれば、真に時代の求める改革から国民の目をそらし、政治家としての無作為への追求を覆い隠す国民への裏切りになりかねない、短絡的で無責任な議論であると思います。
政治空白とその場しのぎの経済対策。財政赤字が経済悪化を招くとの恐れから、財政出動をしても裏腹に経済低迷になる「逆ケインズ効果」については、90年代の我が国が立証済みのようです。93年の宮澤内閣総辞職に始まり、細川連立政権樹立から自社さ連立政権に至るまで、失われた90年代のほぼ10年間、政権交代が慌ただしく続きました。しかし、政権闘争の結果、バブル崩壊後の中長期的な構造改革が打ち出せぬまま、緊急経済対策として国が10年間に支出した総計100兆円超という莫大な歳出がどれだけ経済効果を生んだかというと、我が国経済をこの間1.1倍に拡大したのみでした。しかし、波及効果はいかに希薄でも、この100兆円超の歳出が着実に10年後の国民の税負担を増やしたのは紛れもない事実です。98年に緊急経済対策の予算措置として国が発行した多額の10年国債の返済時期が来年到来することから、償還時期を変えるなどの善処策で金利上昇の悪影響を招かぬよう政府の苦慮があることも事実です。
参議院では民主党が第一党となりました。11月1日に期限切れとなるテロ特措法に対する新法制定や高齢者医療負担増の凍結の検討、国民年金国庫負担引き上げの財源手当てなど課題山積するなか、これら国民生活の安心・安全の確保に直結する重要案件が与野党間の政争の具と化してはならない点、原点に戻り認識を新たにするべきです。我が国が21世紀の新たな時代環境の中で、将来に渡り後世世代に国家の繁栄の基礎を築いて参ることが、我々現役世代の政治家の使命であり、責務であります。にもかかわらず、政権闘争による政治空白で重要政策が断ち切れになるならば、経済低迷により国民生活に重大な影響を及ぼしかねません。このような事態は何としても回避が必要である点、野党の方々にもご理解を頂き、国民のため国会議員が皆心をひとつにして、この難局を乗り切ることが大切であると思います。
2007/09/24
今回の自民党総裁選は、我が国にとり、「構造改革の推進かバラマキ政治の復活か」という重要な政治の分岐点での進路決定の選挙となりました。私は国と地方が800兆円近い債務残高を抱える現局面において、改革の継続こそが我が国を救うとの信念の下、安倍総理辞任表明のあった9月12日、私と同じ心の同志8名が核となり「小泉前総理の再登板を実現する有志の会」を結成、署名運動を広げました。僅か3時間で当選1回から5回まで国会議員31名が署名、再登板見込まれずとの報道後さえも増え、総勢36名に達しました。何故2日間で、総裁候補擁立に必要な20名を超すこれだけ多くの国会議員に、我々の主旨へ署名を頂けたのでしょうか。
我々の運動の根源には、国に対する高い志と強い危機感の共有があります。「構造改革を進めずには、我が国は再び90年代のような政治空白の下、失われた10年の低迷社会に陥ってしまう。」少子高齢化が進み、中国・インドの経済成長も目覚ましい21世紀の新しいグローバル環境において、国民が希望をもって生き残れる経済社会へ転換を図るため、我々政策立案者は弛まぬ改革への努力を惜しんではなりません。また、8年後とも言われる来たるべき道州制の時代に、岐阜市を始めとする地方都市が自信をもって活路を見い出す道筋作りを行っておくことは、大都会を含めた日本社会全体にとり重要課題です。道州制の導入に際し多くの地域社会が同じスタートラインに立てるように、地域間格差の縮小策を少しでも事前に行うことが必要です。さらに、我が国政治の国民からの信頼獲得のためには、政治とカネの問題を始めとする政治倫理の課題について、与野党関わらず全ての国会議員が速やかに襟を正し、健全な党改革を進めることが求められます。このような課題山積のなかで行われた自民党総裁選、短期決戦のなかで熟考即決を迫られ鍛えられるものでした。
当然、小泉前総理の再登板については、私の心中、現局面で5割程度の実現可能性しか描いておりませんでしたが、私にとり重要であったのは、我々の運動の結果、小泉改革に象徴される構造改革路線を次期総裁候補にしっかりと継承して頂くことでした。この状況下で、福田康夫総裁候補が「再登板有志の会」に対して、小泉改革の継続の必要性を言明し、地域格差の是正も構造改革推進により取り組みを行う意向を示されたことは、私個人にとり、福田支援の重要な決意要因となったことは間違いありません。こうした福田候補の言明は、総裁選が告示された9月14日の朝私自身、TBSやテレ朝等の各局のスタジオ出演において、「改革をしないことによって、地方は良くならない。」「これからは地域格差を是正する地方のための新たな構造改革も必要。」と述べた直後のことでした。総裁選中盤では、我々無派閥若手議員を中心とする「新しい風」の緊急会議で、私は総裁候補に政策提言を行う旨の提案をし、多くの賛同を得て提言書を急遽作成、成長と改革(格差是正策)の項目は自ら執筆もしました。
最後に振り返り、「再登板有志の会」、続いて「新しい風」で行った総裁選での我々の運動は、福田総理実現への流れを早晩で形どったとの党内外の評価を得た一方で、我々の政策提言主旨への福田候補の賛同は、今回の総裁選が派閥積み上げでないことを示す証となるなど、意義深い結果を生んだと思います。真に国民主権の政治の実現のため、私は今後とも果敢かつ精力的に運動を展開してまいる所存です。
2007/08/02
6月15日をスタートに、私の微力ながらの全国遊説が始まりました。文字通り、北は北海道から南は九州各地へと日本列島を縦に横に歩き続けた1ヶ月半でした。当然、地元での応援日程は大事、40件近く要請頂いた先から地元岐阜市での応援の合間に実際に伺えたのは20都道府県前後でした。しかし、私は応援に呼ばれた以上盛り上げることが自らの仕事、ならば諦めているのでは、と思わせるような選挙区の運動員の方々を鼓舞する意味も含めて、街宣車で走りながら通行人に向かって両手を振り、大声で呼びかけ、通行人の笑いも誘い、候補者と同時に深々と頭を下げ、演説もできるだけ候補者の強みを訴え、できる限りのことはしました。
今回は、必死の応援のなかでの慌ただしいウサギ跳びのような出張日程でしたが、同時に全国各地の産業天気図や、地方のさまざまの窮状を見た大変有意義な1ヶ月半でもありました。ひとつの訪問先から他の訪問先にたどり着くにも、移動がなかなか円滑でなく、九州からお隣り四国に移動するにも、一度東京の羽田空港に戻り、乗り換えて四国に入る方が到着時間が早い状況でした。私はこんな移動の仕方をして良いものなのか、移動距離から考えて、(いくら党の出費であったとしても)交通費の無駄遣いにならないかと、良心的に私のスタッフに確認を頼んだくらいです。
国に十分な歳入があれば、地方と地方を結ぶ幹線道路や鉄道の数々を敷くことができますが、残念ながら大盤振る舞いができないのが今の財政事情です。上述のような地方の空路、交通網のこれまでの在り方は、多くの地方都市にとって、東京や名古屋、大阪という大都市との一方向の経済活動の在り方を余儀なくされているわけです。しかし、地方分権化の進む中、地方の真の経済的自立のためには、360°周囲を見渡した広域において、地域同士のなお一層の経済連携とそれによる相乗効果の創出とが要になることは間違いありません。
こうした地域間連携、そして地方と都会の格差縮小を促す税制、予算、立法上の各種制度設計は、地方分権時代にあって正に取り組むべき課題です。大都市だけがバブルのように景気浮揚しても、都市人口の一部の所得急増が資産運用に転じるだけでは、裾野の広い実体経済の成長になりません。地域間格差の是正は、かつて我が国で高度成長期に国民誰もが豊かになったように、地域を超えて平均所得を向上させ、我が国の中所得層の厚みをよりしっかりとした分厚いものに育て直していく政策です。地域間格差の是正が、我が国にとり、より裾野の広い実体を伴う経済成長の大きな底力となることは間違いなく、今後、しっかりと取り組んでまいりたいと私は考えます。
2007/06/24
社会保険庁の年金記録問題が政権与党にとり逆風になっていることは間違いありません。しかし、過去10年間にわたり蓄積した問題を解決するため、安倍総理は時の政権を担う総理として、自らの責任において、迅速かつ真摯なる取り組みを約束し、発表しておられます。私自身も国会議員として、そして党副幹事長の立場から、問題対処に向けて大きな関心をもってまいりました。
例えば、政府与党の見解が、年金記録5000万件の名寄せにまだ2年かかるとしていた5月29日、その日の党副幹事長会議で、私は説明に訪れた社会保険庁の方々の前で次のような問題提起をしました。「年金受給をしておられる高齢者にとっての2年間と、若い人達の2年間とでは、時間の重みが違う。5000万件の名寄せに2年をかけるとは、時間稼ぎと言われても仕方がない。もう少し早い対処を検討できないものか。」実はその翌日から、5000万件の名寄せに関する政府与党の方針が、2年ではなく「全て1年で終了させる」へと方針転換されました。
この年金記録問題については、まず現場に自ら足を運び、現状を自分の目で確かめ、地元市民にとって必要ならば、一刻も早い対処で不安や不信感の払拭に努めることが国会議員の責任と考え、私は早速、6月23日(土)に岐阜市内の社会保険事務所を視察することにしました。社会保険庁が、6月16日(土)以降、各地域事務所で対面相談を毎週土日も対応するとの方針を打ち出したばかりで、これに応じた岐阜事務所の対応を確かめる意図もありました。私自身の年金記録を使ってパソコンで記録確認をして頂きましたが、窓口対応は週末も常勤職員が出勤しており、問題対処に向けて丁寧かつ親切な対応でした。
その一方で、社会保険事務所は年金業務だけ扱う所ではありませんが、総務用デスクの上であっても、パソコンが1台もなく、山積みになった書類と何十種類もの業務用ハンコを入れた箱だけが並んでいる現状からは、事務所全体としてIT化の立ち遅れを否めない状況でした。パソコンの端末作業を1日3時間までとし、キーは1日5000回までしか打たないなど、国家公務員に対する人事院勧告の僅か8分の1の規定に留めた社保庁と社保庁労働組合との間の102条の労使協定は、まさに国民全体の利益を忘れ去り、組合利益を最優先する、公務員としてあるまじき就労形態を促すものです。
私は、そもそも社保庁に対する監督責任を問う前に、監督されなければきちんと仕事をしなくなった日本人の、そして公務員の、勤勉な勤労魂は一体どこにいってしまったのか、こちらの方が嘆かわしく思います。やる気のある社保庁職員には、今後創設する日本年金機構に非公務員として是非とも再雇用で入って頂き、退職生活の安心を国民の誰もが享受し得る、我が国の誇るべき皆年金制度の信頼回復に向けて、全力を尽くして頂きたいと思います。そして私も一国会議員の立場から、やる気のある人が報われる働く社会創りに向けて、精一杯努力してまいる所存です。
2007/06/08
去る6月6日に東京のパレスホテルで開催させていただいた「佐藤ゆかりを励ます会」には、大勢の支援者の方々にお集まりいただき、皆さま方より直接の激励のお言葉を賜り、心より御礼申し上げます。また、中じめが早すぎたのか、宴たけなわの中で結局9時過ぎまで多くのご出席者の方々がお残り下さり、お互いの話に名残りを惜しまれた会場風景には、大変心を打たれるものがありました。励ます会を通じて、佐藤ゆかりをご支援いただける方々がより大きな輪へと成長し、ご支援者の皆さま方にはまさにインキュベーションの空間を頂いたようなひと時でした。
この励ます会に臨むにあたり、私は2005年の総選挙の応援で当時の小泉総理に岐阜市にお越し頂いた時のことを思い出しました。その日岐阜市では1万5000人という、総理の全国遊説でも最多の人達が地元十六銀行本店前に詰め寄せていました。小泉総理と共に党車「あさかぜ」の上で演説会が始まると間もなく、ゴーという地鳴りとともに県警の立てた柵が倒れ、近づこうとする群衆が大通りにあふれ出しました。その群集に通行中の路線バス2台が埋もれて走行停止。乗客の方々も小泉総理の演説を、ベストスポットのバスの中から座席付で聞けた、という事のてんまつになりました。まさに嵐の突風の中から生まれたような衆議院議員の佐藤ゆかりでございます。
選挙後に全国各地の方々から頂いたメールやお手紙で多かったのは、「佐藤さんのような人が自民党から出るとは、自民党が変わった象徴だ。これならと思い、自民党に投票した。民間出身の議員として是非とも頑張ってほしい。」という主旨の激励メッセージでした。私はこうした無党派層や若年層の方々を自民党にしっかりとつなぎとめる重役をいただいた思いで、困難にも立ち向かい、国民の目線に立って、日々の政治活動に取り組んでおります。
今通常国会では、野党の審議拒否や牛タン戦術(slow speech)で深夜・徹夜国会にもなりました。しかし、国会を夜中まで時間延長すれば人件費含め数億円にも上ると見られ、強引にテレビ中継の時間まで引き延ばしをしようとする野党の党略には、私は、元民間人の納税者の立場から耐えがたいものを感じます。国会がいかなる状況にあっても、「国民の税金を無駄遣いにしない」という基本的な軸足さえしっかりしていれば、政治家としておのずと国民的な良識ある判断に至るものと思います。国会空転を目の当たりにしながら、初志貫徹の大切さを学んだ会期でした。