| (1) 米国牛肉輸入問題並びにFTA交渉
米下院議会で農業委員会委員長を務めるグッドラテ下院議員(バージニア州)からは、米牛の危険部位混入問題について繰り返し謝罪が述べられたうえで、しかしながら米牛輸入再開に向けた日本の対応が遅いとの指摘があった。米国では全50州で牛肉生産が行われており、牛肉輸出問題は米国内でも大きな政治問題になり得るようである。日本の消費者の食の安全に対する価値観の違いなどにつき、役所を通じてのみならず、我々個々の国会議員が国民の立場を貫き、米国議員に直接丁寧に説明をするこの会議のような対話の場が非常に大切であることを痛感した。
(2)
韓国の国内政治情勢
韓国政権の与党であるウリ党の鄭義溶議員並びに議会で過半数を握るハンナラ党(野党)の朴振議員から報告があった。韓国では向こう2年間は、今年5月末の地方選挙、2007年12月の大統領選、2008年4月の総選挙と続き、選挙サイクルに入るため、国内外政治においてダイナミックな政党間競争が展開されるとの見通しであった。順調な国内景気の下、争点となり得る若者の失業問題の他には選挙での大きな経済問題は不在のようである。逆に外交面では、良好な対米関係がある一方で、日本と係争化している竹島問題が選挙サイクルに今後やや左右され、目先膠着化の可能性も想定に入れておくべきではないかとの感想をもった。
(3)
アーミテージ元国務副長官との面会
山本幸三衆院議員と共に、第1期ブッシュ政権で国務副長官を務めたアーミテージ氏、大統領補佐官であったリンゼー氏、並びに連邦準備制度理事会(FRB)の新任理事ウォルシュ氏を訪問。アーミテージ氏とは、北朝鮮問題に関する六者協議やイランの核問題について見解を伺った。北朝鮮については、バンコ・デルタ・アジアの資産凍結を含め金融制裁で日本の協力が非常に効果的であったこと、また中国は2008年の北京オリンピックを控え、短期的には各国との良好な経済外交を維持すると見られる一方、将来的に石油確保のために米国との利害衝突が表面化する恐れも指摘した。またイランの核問題についても、今後の情勢如何を米国は必ずしも楽観視していないとの見解を示した。
(4) リンゼー元大統領補佐官との面会
イラク問題等でブッシュ大統領の支持率低下が指摘される中、今年の米国の中間選挙では、下院で共和党が大多数を失い上院で大多数を獲得するとの観測がリンゼー氏含め米側の論評に散見された。リンゼー氏は、大統領初当選から6年目にあたる今年の中間選挙が、所謂「6年目の悪夢」の例外とはならないだろうとの見方であった。また、連銀のインフレターゲット導入の是非については、原油高による遅れた影響で今後インフレ加速が見通されるなか、インフレターゲットを導入すれば高いインフレ率の抑制のために逆に強力な利上げを余儀なくする結果となり、バーナンキ議長は当面導入に踏み切らないであろうとの見方であった。
(5) ウォルシュ新任FRB理事との面会
連邦準備制度理事会(FRB)の新任理事ウォルシュ氏は、モルガンスタンレー証券出身で直前までブッシュ大統領の側近の1人を務めていた。ウォルシュ氏は今後の米景気の方向性が、原油高、住宅市場の高騰、インフレの芽の出現などにより、一層予測しずらい局面になると指摘。しかし、80年代と比べて資本市場でのリスク分散が進展、銀行のバランスシートも住宅貸出の証券化が進んだ。また、住宅資産の多くは投資物件ではなく居住用であるため、住宅価格が下落しても、ポートフォリオとしての資産の価格劣化ほどの影響は出ないであろうとの見方であった。バーナンキ新議長の下での今後の連銀政策、特にインフレターゲットについては、リンゼー氏同様、ウォルシュ氏も当面導入の可能性には否定的であった。
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