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米 国 視 察 記 録 






 ○ 5月1日(月):
   ニューヨーク証券取引所視察・ボーゲル副社長面会(於ニューヨーク)

 ○ 5月2日(火)〜5月4日(木)
   第35回日米国会議員会議・第4回日米韓国会議員会議出席、
   連邦準備制度理事会ウォルシュ理事・
   アーミテージ元国務副長官
   リンゼー元大統領補佐官らとの面会          (於ワシントン
D.C.


5月の連休中にワシントンD.C.で開かれた日米韓国の国会議員会議に出席した。昨年11月に東京で開かれた同会議への初参加に続いて今回2回目の参加となった。会議に先立ち、80年代〜90年代にほぼ14年間在住したニューヨークに視察で立ち寄った。98年の帰国後も外資系企業の勤務で米欧出張は繰り返したが、2週間で15都市程度、各地で連日5〜8ヵ所程度の金融機関を訪問して日本経済の集中プレゼンを行ってまわる過密日程の出張であった。



ニューヨーク視察

1)    ニューヨーク証券取引所訪問

ニューヨーク証券取引所(NYSE)は、ニューヨーク在住時代からウォール街のランドマークとして私には親しみのある場所だが、私の属する財務金融委員会での最近の議論もあり、個人的に5月1日(火)の視察を考えていた。たまたまその同日、金融担当の桜田副大臣が金融庁の視察でNYSEを訪問されるご予定と分かり、取引所のボーゲル副社長ならびに関係者との副大臣の面会に合流をさせていただく運びとなった。今年3月に株式上場したばかりのNYSEの取引所として、自主規制の問題などについて見解を伺った。個人的には、自主規制から上場企業の会計監査に至るまで、上場取引所として全ての観点を円滑に満たすにはまだもう一歩という印象であった。自主規制では、外部組織を採用するNYSEが東京証券取引所(TSE)がめざす上場後の自主規制組織よりも磐石とも受け止められた。しかし一方、日本でライブドア事件をきっかけに問題意識が高まった上場企業に対する会計監査の問題では、監査法人の選択における自由度がやや緩めとも窺われる側面もあった。主要国取引所におけるグローバル市場の信頼構築に向け、日本も含めた一段の工夫による切磋琢磨が望まれる。



2)   ニューヨーク金融市場の知人と意見交換

次に、長年ニューヨーク金融市場で証券業に勤務する日本人の知人と、日本の構造改革について意見交換を行った。この知人は、小泉政権の下での一連の構造改革の結果、日本の政策の透明性が増し、米国における対日理解が深まったとの考えである。また、こうした構造改革が今日の持続的な景気回復の重要な基盤としてあり、今後も日本の景気回復が続くとの安心感が米国で高まっていることが、昨今のニューヨーク金融市場の動向にも反映されているとの意見であった。またこの知人も、昨年の衆議院選挙で多くの自民党新人議員が生まれたことについて、自民党が内から変わり始めたと自民党への少なからぬ好感を抱いている模様である。




ワシントンD.C.会議

2日(火)午後、ワシントンD.C.入り。日米国会議員のレセプションに出席。翌3日(水)〜4日(木)は、米国議会のオフィス棟会議室に2日間缶詰状態となり、集中会議を行った。3日の晩からは韓国の国会議員も加わった。






































(1)   米国牛肉輸入問題並びにFTA交渉

米下院議会で農業委員会委員長を務めるグッドラテ下院議員(バージニア州)からは、米牛の危険部位混入問題について繰り返し謝罪が述べられたうえで、しかしながら米牛輸入再開に向けた日本の対応が遅いとの指摘があった。米国では全50州で牛肉生産が行われており、牛肉輸出問題は米国内でも大きな政治問題になり得るようである。日本の消費者の食の安全に対する価値観の違いなどにつき、役所を通じてのみならず、我々個々の国会議員が国民の立場を貫き、米国議員に直接丁寧に説明をするこの会議のような対話の場が非常に大切であることを痛感した。


(2)    韓国の国内政治情勢

韓国政権の与党であるウリ党の鄭義溶議員並びに議会で過半数を握るハンナラ党(野党)の朴振議員から報告があった。韓国では向こう2年間は、今年5月末の地方選挙、2007年12月の大統領選、2008年4月の総選挙と続き、選挙サイクルに入るため、国内外政治においてダイナミックな政党間競争が展開されるとの見通しであった。順調な国内景気の下、争点となり得る若者の失業問題の他には選挙での大きな経済問題は不在のようである。逆に外交面では、良好な対米関係がある一方で、日本と係争化している竹島問題が選挙サイクルに今後やや左右され、目先膠着化の可能性も想定に入れておくべきではないかとの感想をもった。












(3)    アーミテージ元国務副長官との面会

山本幸三衆院議員と共に、第1期ブッシュ政権で国務副長官を務めたアーミテージ氏、大統領補佐官であったリンゼー氏、並びに連邦準備制度理事会(FRB)の新任理事ウォルシュ氏を訪問。アーミテージ氏とは、北朝鮮問題に関する六者協議やイランの核問題について見解を伺った。北朝鮮については、バンコ・デルタ・アジアの資産凍結を含め金融制裁で日本の協力が非常に効果的であったこと、また中国は2008年の北京オリンピックを控え、短期的には各国との良好な経済外交を維持すると見られる一方、将来的に石油確保のために米国との利害衝突が表面化する恐れも指摘した。またイランの核問題についても、今後の情勢如何を米国は必ずしも楽観視していないとの見解を示した。


(4)  リンゼー元大統領補佐官との面会

イラク問題等でブッシュ大統領の支持率低下が指摘される中、今年の米国の中間選挙では、下院で共和党が大多数を失い上院で大多数を獲得するとの観測がリンゼー氏含め米側の論評に散見された。リンゼー氏は、大統領初当選から6年目にあたる今年の中間選挙が、所謂「6年目の悪夢」の例外とはならないだろうとの見方であった。また、連銀のインフレターゲット導入の是非については、原油高による遅れた影響で今後インフレ加速が見通されるなか、インフレターゲットを導入すれば高いインフレ率の抑制のために逆に強力な利上げを余儀なくする結果となり、バーナンキ議長は当面導入に踏み切らないであろうとの見方であった。


(5)   ウォルシュ新任FRB理事との面会

連邦準備制度理事会(FRB)の新任理事ウォルシュ氏は、モルガンスタンレー証券出身で直前までブッシュ大統領の側近の1人を務めていた。ウォルシュ氏は今後の米景気の方向性が、原油高、住宅市場の高騰、インフレの芽の出現などにより、一層予測しずらい局面になると指摘。しかし、80年代と比べて資本市場でのリスク分散が進展、銀行のバランスシートも住宅貸出の証券化が進んだ。また、住宅資産の多くは投資物件ではなく居住用であるため、住宅価格が下落しても、ポートフォリオとしての資産の価格劣化ほどの影響は出ないであろうとの見方であった。バーナンキ新議長の下での今後の連銀政策、特にインフレターゲットについては、リンゼー氏同様、ウォルシュ氏も当面導入の可能性には否定的であった。




今回の国会議員交流会議への出席をひとつの機会に、アジアの安全保障、中東の核問題、日米韓国の国内政治問題などの経済以外の重要議題についても、やや長い地平線上で考慮を重ね、米韓議員と意見交換の時間ができたことは誠に幸いでした。


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